CD(アルバム)
『李嘉 温柔的慈悲』
天王企業有限公司
UCD-022
(1993年01月20日)
「李嘉的新台語歌」と銘打ったこのアルバムは、彼女が華岡藝術學院の戲劇科に在籍していたころのアルバムである。 前作「永遠跟行」はまだ高低両極端の声が多少不安定であったが、 このアルバムを聞くと、そんな不安は払拭されてしまう。
彼女は、それ以前のかすかに残っていた幼さを脱皮して、完全に大人の歌手に成長してしまった。 このアルバムはまさに、そんな歌手として成人した李嘉の記念すべきアルバム第一号に思える。
10曲とも意欲的な作品で、完成度は高い。 どれもすばらしく、甲乙はつけがたいのだが、敢えてお気に入りを書くとすれば、 このアルバムの最初に収録されている「做人照歩來」、「人生若扮戲」、「温柔的慈悲」であろうか。
「さらば這條歌」、「等待是藝術」、「春夢打醒」には作曲者名が出ていないところを見ると、 カバー曲かも知れない。 日本語の「さらば」を曲名の一部に使用していたり、 「等待是藝術」の中で、「すみません」という言葉を使っているところをみても、そんな気がする。
「迷航的探戈」は往年のシンガーソングライター林文隆の作品である。 彼はもともと國語歌手であったが、黄乙玲や白冰冰のために台語の歌も書いている。

曲順 曲名 歌手 作詞 作曲 原唱 備考
A01 做人照歩來 李嘉 許杭 許杭
A02 人生若扮戲 李嘉 張羽偉 張羽偉
A03 温柔的慈悲 李嘉 黄一雄 黄一雄
A04 さらば這條歌 李嘉 陳俊辰
A05 少女心 李嘉 李友雄 李友雄
A06 等待是藝術 李嘉 廖永俊
A07 眞情無愛甲人公家 李嘉 三奇 林子淵
A08 迷航的探戈 李嘉 林文隆 林文隆
A09 春夢打醒 李嘉 李嘉芬
A10 無情網 李嘉 劉月菊 廖永俊